2025年12月12日金曜日

「豊かな自然」とは?



森林の恵みに年々期待が高まっている反面、経済価値が追いつかず、森林の担い手が育つ環境下どころではなく、途切れようとしている。

そんな中、第7次青梅市総合長期計画では基本理念や施策の説明に平然と「豊かな自然」という言葉が頻繁に使われている。

立案者は「豊かな自然」という表現に、どんな概念を抱いているのであろうか。市内森林の所有形態が、私有林率が98%という全国でも突出している地域であることを理解しているのだろうか。

この状況は、経済破綻から推測できるように放置林、放棄林の病んだ森林が増加する温床となり、「豊かな自然」から年々掛け離れており、災害への危険要素が高まり不安を募らせている。

そんな環境下にもめげず当会は、基幹事業として平成14年から取組んできたボランティア育成講座は他の団体が担当することになり、この機会を好機と捉え、明日を担う子供達に焦点を当て、森林からの恵みを体感し参加者自ら考える事業へと舵をきり、挑戦が始まった。

これは森林を、従来からの木材生産を主眼にした施策の閉塞感から脱するため、広く森林の恵みを学ぶ場として捉え、子供達に焦点を当て市民に理解しやすい事業として生まれた。

この背景には、平成元年より取組んで来た〝身近な森を活用する会〟の事務局長の豊富な経験や、「森の体験学習事業」、「森林整備員養成」を基軸に、担い手育成を主眼に取組んできた経験の積み重ねがある。

 お陰様で好評のうちに事業が展開され実績を積むことが出来、副理事長の話によると、次年度の青梅市小学校向け森の体験学習は、実施枠8校に対して、なんと14校から応募があり、狭き門を乗り越え当選した8校に加え、抽選に漏れた学校からも数校が、なんとか資金を捻出して参加したいのでよろしくとの声が届いており、いかにスタッフを確保できるかが、重要課題となっている。



元気な森林への期待が年々高まり、念願の環境税の創設にも拘わらず、「豊かな自然」の中核にある森林の担い手が、育たない現実に関係機関は何を考えているのであろうか。叫び声が聞こえないのであろうか。 

以上

0 件のコメント:

コメントを投稿