「豊かな自然」を守るために!
遂に、〝伐りっぱなし〟と言われる山が増えているという報告が上がってきた。これは人工林伐採面積の3割しか再造林されていないと言う内容で、7割が伐りっぱなしと言うことだ。
そこには、森林の恵みに期待が高まっている反面、経済価値が追いつかず、国民の期待とは裏腹な方向に向かっている危険な状況が見えてくる。
自然を支える森林は、江戸時代から社会の要求に変容しながら、治山治水を基盤に人が管理しなければ維持できない人工林化が進められ、全国で森林の4割(人工林率)を占めるに至っている。
青梅市では、これが6割となり、健全な経済行為が成立しない状況下で、所有者の意識や意欲が低下し放置林、放棄林の病んだ暗い森林を増加させる温床となっている。
計画の立案者は「豊かな自然」という言葉に、どのようなイメージをお持ちなのだろうか。
市内森林の6割が人工林であり、その殆どが私有林であるという全国でも突出した特異な条件を持つ地域であることが「旨く反映されていない」と、森林所有者等関係者の目線からは見えてくる。
森林環境税は、30年前より環境意識の高い先人達が、公益性と経済性の不均衡を憂い、国税の中から森林の持つ公益的機能を考慮して市町村に交付税措置をという森林交付税構想を提唱し、紆余曲折を得て今日に至った経緯がある。
森林管理を今後、行政や森林組合に委託したいという声がより明確になり、制度成立から丸6年が経過している。もはや躊躇する暇はない。
甚大な山林災害が起こる前に、まず取組むべき施策は「担い手を育て」、「担い手が就業できる事業を創出する」ことではないだろうか。ここで取組む「森林経営計画管理制度」を活用した施策が、これに繋がることを期待したい。
この事業は、木材の自由化以降、半世紀を超える森林を木材生産の場とした施策の閉塞感からの脱却と、森林の持つ公益的機能の活用を目途し、広く森林の恵みを学びの場として捉え、子供達が実体験することに焦点を当て、保護者さらには市民に理解しやすい事業として創出した取組みである。
こうした取組みの背景には、平成元年より取組んで来た、「森の体験学習事業」、「森林ボランティア育成事業」「森林整備者養成事業」等を基軸として、担い手育成を主眼に取組んできたスタッフの豊富な経験の積み重ねがある。
令和6年度から取組みを開始した青梅市小学校向け「森の体験学習」は、参加各校から好評を頂き、令和8年度の同事業は、実施枠8校に対して14校から応募があるまでに成長した。
この先の課題は、早期に全16校の期待に応えうるスタッフ(担い手)の育成と組織体制の整備に尽きると考えている。





