2018年6月16日土曜日


「全国植樹祭ふくしま2018」及び
      「全国林業後継者大会」に参加して

佐藤 優

去る6月9・10日、全国林業後継者大会と全国植樹祭にりんけんの皆さん11名で参加してきました。
 

私はどちらも初めて参加させていただきましたがとても良い経験ができました。

植樹祭前日の後継者大会では、活動発表で「先輩方から」「現役世代から」「次世代から」のそれぞれの世代の発表を聞かせていただきました。

印象に残ったのは現役世代の「NPO法人みなみあいづ森ネットワーク事務局、松澤さん」の材木を使う出口(消費者)から加工(材木業者)・生産(林業家)を輪のようにつなげる活動をしていて軌道に乗っている。という報告です。大消費地を抱えている西多摩地域の私たちにはとても参考になると思いました。

もう一つ印象に残った発表は、次世代の「天栄村立天栄中学校」中学生3人の発表で森林にかかわる授業を行っているが、村外の山や施設で行っていて、自分たちの学校の裏山があるのに、そこは除染された道しか通れず、山は立ち入れない。震災から7年がたち、これから入ってくる中学生は山で遊んだことのない子供達です。という悲痛な訴えです。

福島の原発事故の影響による汚染地域の第一次産業に携わる人々の苦難の思いを実感させられました。

植樹祭当日は宿泊した「いわき」から南相馬まで実行委員会のチャーターしたバスでの移動でした。あさ7時前に出発して、10時頃に現地到着、南相馬市原町区雫地内の浜に黒松の植樹をして会場入りしました。

天皇陛下が見えられるということで、飛行機に乗るような警戒の中10時半頃会場に入場して、13時35分の開会式まで小雨が時折ぱらつくなか昼食を取りながらひたすら待って、開会式を迎えました。天皇陛下が最後の植樹祭ということで、立ち会えたことは大変光栄でした。

式典を終え会場を後にするときも大勢の参加者(7000人?)がいたので、また、待って行列でという感じでした。考えてみると、林業は植林して育てて、成長するまでは次の代を見据えての職業です。仕事にあった行事だったのでしょう。

 
植樹祭の場所が福島ということで、実行委員会の方の全国から集まった私たちへの気遣いとおもてなしがとてもゆきとどいていて、前日の後継者大会と交流会、当日の植樹祭とも気持ちがとても伝わってきました。特に会場を後にする際、会場はもちろん、バスに乗る長い道のりにスタッフが切れ目ないくらい並んで声をかけていただいたことには感激しました。実行委員会の皆さんありがとうございました。

 
 
 
余談になりますが、南相馬からバスでいわきまで送っていただいたのですが途中大熊町、双葉町あたりを通っているとき高速から見える当たりの田畑が何も作られず荒れ果てていること、民家や道に灯りが燈っていない現場を実際に目の当たりにして、言葉を失ってしまいました。この現実はけっして忘れてはならないと思いました。
 
 
 

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