2024年11月14日木曜日

 

“ 森林体験学習 ”


 

 

 令和4年度より〝身近な森を活用する会〟の活動が、正式に青梅りんけんの活動に組み込まれ3年目を迎えました。

森林体験事業、企業のCSR活動等含め、森林への訪問者の受け皿として当会が前面に出ることにより実働部隊として身近な森を活用する会が機能する という形を定着させたいと取組んでおります。

社会的な信用と実働部隊の人材育成の両面で積極的に動く基盤を目指しております。

                                  

                                  木を植えて人は育てて夢は百年!



 

第3弾 突撃体験レポ-トR6.10.31

投稿:アシスタント 前田

 どうもどうも!! 気温はもとより湿度も下がり、ドライアイが深刻度を増している前田です。

 今回環境教育の一環として林業体験をしてくれたのは青梅市河辺小学校の5年生の皆様方。大型バス2台に揺られて晴れやかな挨拶と笑顔とともにやってきました。眩しすぎて余計目がやられます。

 ひーひー言いながらも元気に山を登っていく小学生たち。一番元気が良かったのは次の地点にスピーカー運ぶため山を駆け抜けた御年69歳のさんでしたけれども、無事全員が目的地に辿り着きました。

 林業体験エリアでは、伐採する木を選ぶ担当、ロープを引っ張る担当、切った木を運ぶ担当などなど各担当に分かれていましたが、だれも手持ち無沙汰になることなくみんなで考えて、みんなで実行することができていました。

 河辺小の子達の人柄もさることながら、エリアを囲って考えてみるという青梅りんけん初の試みが功を奏した模様です(今まではエリアは決めていたものの、児童を移動させるみたいなことはなかった)。

 ロープをかけるシーンではどうやら達人がいるとの噂が児童界隈であるようで、ロープかけ担当である指導員のさんとさんに熱い視線が送られます。トンデモネー プレッシャーの中で無事ロープかけが終わりました。

今回選木されたのは、かなり‘ゴツ’ めの杉だったのですが、河辺小の子たちは元気がいいので、受け口・追い口の作業の後、えいや-とロープを引っ張り、〝架かり木〟にもならず、すんなり倒れてくれました。

 しかしながら勝負はここから。ゴツ めのスギですからね、いやはや、めちゃくちゃ重いです。持ち運べる大きさに切った木をみんなで軽トラへ運ぶ際は、ヤバイ  という声が出ない児童すら出現。静かにやばさを訴えていたので、すかさずヘルプに入ります。確かに重い、こんなん持ってる君たちすごいね。

 重く、太く、立派なだけでなく節があって硬い木だったので、丸太切り体験では多くのチャレンジャーたちが腕と腰の痛みに耐えていました。はは、腰痛だなんて、我々の仲間じゃないか。

 しかしながら今回は木が‘ゴツ’すぎたこともあり、普通のノコギリではなく、ノコギリの進化系刀ボーイを用いたことで、比較的まっすぐ切れている様子。引くときに力を入れる、歯先全体を使う、ということもできている子も多く、とても上手でした。

 皮むき体験はなぜかみんな慣れた様子?でピカピカの完成品を見せに来てくれました。みんながにこにこ楽しそうで何より。

そんなこんなでハイタッチをしながら帰っていく児童たち。先生の話をよく聞き、問いかけに多くの子が手を挙げて発言し、どんな意見も否定しない。挨拶も、返事もよくでき、お礼もきちんと言えるその姿は見上げたものです。自分が小学生だった時、こんな風にできていたかな。

以上

2024年11月7日木曜日

 

(株)やまびこ 社員研修R6.10.11



身近な森 事務局長

今年度、社員研修は新しい一歩を踏み出しました。青梅市に本社を置き、森と関わる製品を生産・販売する株式会社やまびこ。世界中の森が荒れて、その機能を失い始めている今、地元青梅の森はどうなっ ているのか?森の機能が失われればやまびこという企業はどうなるのか?そんな大きな疑問が研修の在り方を変え始めました。

2013年に東京グリーンシップ・アクションに参加することで始まった森林保全活動という社会貢献活動、途中コロナ禍による二年間 のブランクはありましたが12年目を迎えました。

11年目の昨年度、単なる社会貢献活動から社員研修の場としての活動に変えようという事になりました。 協力する講師・スタッフが企画したスケジュールや内容を実施する貢献活動ではなく、社員自らが森に足を運び、森の現状を知ることで、 どんな活動をすれば良いのか、あるいはしたいのかを考えて内容を組み立てる活動に挑戦することになりました。

更に、今回は“みらい委員会”のメンバーが中心となって研修を主催する形をとり、開会式~保全 活動~ワークショップ~閉会式すべての活動を同委員会がリードして行いました。

本社でのミーティング、現場の下見と打合せを行い、講師との間で入念な打合せを行いとても素晴らしく意義ある研修となりました。

社員が活動内容を考え、みらい委員会主導の形で実施した本研修は、御社にとっても、青梅市の森林にとっても、とても大きな意味を持っていると思います。 ここに活動の様子を掲示いたします。 

 

 

株式会社やまびこ 管理本部 総務部 総務課だより

 

 わたくしは、3年前青梅の成木にて初めて森林保全活動に参加させて頂きました。3年前はたかが山と思っておりましたが、青梅りんけんの皆さまと関わっていくうちに、森林について真剣に考える機会となりました。

 活動当初は従業員の研修という事で、業務的に対応しておりましたが、ここ最近ではこの青梅の成木の山をどのように保全すれば良いかや、参加した従業員が年々色々な意見を出すようになり、今回の20241011日実施した森林保全活動ではボランティアの方々のアドバイスはあまり出さず、参加者自ら考え保全活動を実施しました。

活動は青梅上成木森林環境保全地域で行い、道中、クマの皮はぎ、スギやヒノキの皮を剥ぐ鹿の食害や、ナラ枯れ(カシノナガキクイムシのナラ菌により枯れ死にする現象)が獣の食糧であるドングリの減少など
について、ボランティアの方々から話を伺い現場へ向かいしました。


 活動現場では、道中話を聞いた内容を元に、どの木を伐木するか参加者が決めて、実際に1本伐木をしました。木が倒れるところはものすごく圧巻でした。

 その後、林道の整備や、伐木した木を利用して階段の整備を実施しました。作業を終えて各参加者は充実感に満ち溢れており、「森林保全活動に参加して良かった」との声を聞けました。 今後もこのような活動に参加して、少しでも森林保全活動に関われればと思います。

追伸:また来年も絶対に参加します!!!

2024年10月29日火曜日

 

 ・・・森林ボランティア育成講座・・・

14-5『間伐』R6.10.12

 

間伐の目的は、第1に立木密度を調整し林床に光を入れることにあります。特に、幼令林(10年~20生位)にとっては将来を決める間伐所期の大事な作業であり、選木にあたっては、通常劣勢木を対象に間伐します。

日本の南北に長い列島では、ほとんどの地域が 温帯(温暖湿潤気候)に属していますが、北海道や東北地方は 亜寒帯(冷帯) になり、温暖な気候風土に濃淡があるもの、蔓や雑木の繁茂対応が求められ「蔓きり」や「除伐」も合わせて行います。

昨今では、健全な経済行為が成り立たず壮齢林(30年~80生位)が殆どを占めており、搬出が困難な間伐地は伐り捨てられているのが現状で、今後どのような森林を目指すか今までに無い判断が求められています。

以下受講生の感想を掲載します。

・実際の作業がとても良く分かりました。ありがとうございました。

・木を一本切るにも様々なことを考えながら作業していることが分かり、とても勉強になった。

・かかり木になったときの対応が実感できてためになった。

・間伐2本実施。午後は太めの木を対象に間伐、枝がひっかかって倒すのがたいへんだったが、そこでいろいろと学べて逆に良かった。

・間伐 午前、午後で1本ずつ 午前中は枯れ木で比較的短時間。午後の間伐は2回にわたり他の木にひっかかるトラブル。狙った所に倒さないと、その後のリカバリーが大変なこと、事前の準備の(リカバリーのための)大切さを認識した。

・今日は2回目の除伐、間伐ということで、前回よりも、どの木を切るべきかが、わかるようになった。また、一本の樹を最初から切ったことで、受け口の切り方、追い口の切り方がよくわかった。体験は大事だ。前回と違い2本とも隣りの木にひっかかって大変だったが、これもみんなで話し合い無事切り倒せた。チーム力の大切さを感じた1日でした。みなさんに感謝!!

・役割の分担、作業分担の大切さと人力で行う大変さを学びました。どこへたおすか考えるだけでなく、その後の片付けまで考えると色々とむずかしいと思いました。今回も楽しく参加させていただきました。

・とても勉強になりました。講習の資料を頂きたいと思っております

・実習が多くて良かった。こうぎばかりでは頭でっかちになりがちなので、実習で11人が作業できる時間をふやしてほしい。危険なことも実際にヒヤリとする場面に出会わないとわからないので、やってみる機会をふやしてほしい。

・足の調子が悪く皆様にご迷惑をお掛けいいたしました。その中でも出来る事を振って頂きながら無事終えることができました。作業分担を考える良い機会となりました。りんけんの皆さん、ありがとうございます。

 ・本日は間伐をしましたが、途中でうまく行かず、みんな一緒に考えて倒して大変だったが、楽しかった。普通中々できない体験をできて本当に勉強になり感謝します。

・7名でチームワーク良く作業が進んだこと、また1本倒すのが考えて作業しないと大変と理解しました。本日ありがとうございました。

今回は前回よりも自主的に班の意見を出し合って木をえらび切りました。午前中から作業ができて長い時間やれて楽しかったです。

・間伐!2本どちらもかかり木になった。細く腐った木であり、簡単に伐倒できると思ったが、意外と芯が硬く、上部の曲がりも硬く、かかり木になった。ロープ牽引は省かない方が良いと思った。

・直径20cm超の大木の倒木を行った。木がからまり倒れなかった為にそこから倒すまでに大変な苦労があった。倒す前の計画を丁寧に立てることが重要だと分かった。

・(除伐)間伐について、簡単な作業ではないことが実体験できてよかったです。

知らなかったことが学べてうれしいです。

・除伐、間伐を行い、木を倒す方向などをしっかり考えてから作業をしてもなかなかいったほしい方向にいかずむずかしさを感じました。又、木一本で1トン近くあるとしれたので安全第一で作業したいと思います。

・もやい結び、選木、滑車、方向決め、受け口、追い口全部実践できて良かったです!まずは足元の整備から、というのを忘れないようにします!


・木を選ぶということ、但し、それをどう切り、どこに着地させるか、受け口が正しくその方向に向かって切れているか、、、追い口の方向で左右にぶれることを身をもって感じた。木の重さ1トン近くなるということに安全と正しい判断が必要な仕事ということで今後リスクを感じてしまった.




2024年10月1日火曜日

新規事業だより   

 いま、森林環境教育への期待が高まっています!

 

森林環境教育来訪校(R6.9末現)


6/20 青梅市立第7小学校

6/28 青梅市立第1小学校

9/  5 青梅市立第5小学校

追伸:過去『身近な森を活用する会』での森林環境教育の事業報告は令和2年度活動報告書、「令和3年度活動報告書」 をご覧下さい。







解剖学者の養老孟司さんは、

2024.5.14読売新聞記事より

 

都市への人口集中が解消され、人々が地域ごとに食糧やエネルギ-を自給自足して暮らす。僕は、2050年の日本の望ましい姿をそんなふうに描いている。

多くの人間は今、都会に暮らしている。そこは、頭で考えた通りに物事を進めようとする「脳化社会」だ。

・・・(中略)・・・

僕は以前から、都会に住む人は地方にセカンドハウスを用意した方が良いと提案してきた。もともとは、都会でずっと過ごしていては体にも精神的にもよろしくないという理由だ。でも、今は、間違いなく、未来に生きていくための方法だと思っている。

合理性、経済性、生産性を追求してきた時代とは、全く逆の方向に進んでいくはずだ。一人一人が実感を持ち、暮らしを足下から積み上げていく。それぞれが自活し、居心地良い日常を送れるようになれば、未来は平和だといえる。   







                                            ・・・森林ボランティア育成講座・・・

 間伐準備作業

14-4『山割り』R6.9.14


 

山割りは林内作業に多くの作業員が一度に現場に入ると時に、作業場所を割振ることで、伐倒木や上下作業による事故防止の一環として行い、安全に作業が実施できるように現場を割振ります。

経済林として成り立っていた時代は、適正な伐採・搬出・再造林(植林・育林)によって森林循環が保たれ、公益的働きも担保されて来ました。

しかし、人工林の間伐作業の現状は、立木を無償でいただいても採算が合わない環境下となり、多くの間伐木が伐り捨てられ補助金頼りになっているのが現実で、本末転倒な状況にあります。

今回、はじめて受講生は現場に入り、山割り場所の確認、選木方法の確認、ロ-プを活用した間伐作業等、多くの作業を体験しました。 


以下、受講生の感想を掲載します。  


*ロープの使い方や山割り、除伐の実体験ができて、(一人で行うわけではなくグループ全員で一つの作業を行
う)楽しかった。一つ一つ今まで体験したことのない作業でしたが、具体的に学べて知識がついて良かったで す。何より自分の安全、人の安全が大事!

*山割の意味を初めて知った。山を保全していく上でとても大切だと思う。 除伐体験、大変興味深く貴重な体験ができた。 どの木を切るか、なぜ切るのか、倒す過程がよくわかりました。

*木が倒れた瞬間、とても感動しました。 間伐するとき、沢の要素を配慮しないといけないことをきづき、なおかつ大自然にそんけいします。 とても勉強しました。ありがとうございました。

*除伐では山に入って選別したり木を切ることができて楽しかったです。色々な木があることを改めて実感しまし た。

*ロープ上げが結構難しかった。 除伐に限らず選木は重要と学びました。 1本の木を安全に切るにはあるていどの人数が必要とわかった。

*除伐の初体験、大変に勉強になりました。 受講生同士での話し合いも必要だと思いますが、プロならこうするとの意見、考え方も聞けたらなお良かった。り んけんさんに感謝。

*のこでの伐倒も大変で思ったとおりにはいかない。

*山の中であつさが和らいだ中での作業は楽しかった。3班はすすんで知識のある方が作業ルートに導いて下さったので、それぞれ自分の役目を見つけやすかったように思う。思ったより斜面はすべりやすかったが、それも 又楽しかった。自然の力をコントロールすることはできないが、人間が共に暮らすための環境づくりについて学 んだ。

*暑かったが無事に終ってよかった。 除伐も1本できてよかった。 のこやなたの使い方、扱い方を午前中にやってほしかった。 地面に放置する場面にヒヤリとした。

*暑さが心配だったが程良い作業で気持良かった。 「カタナボーイ」を知りよかった。

*もやいむすびの学習は大変有意義でした。 ・伐木をグループ討議して作業したことは有効でした。 リスク管理を再重要に考えて常に安全第一の作業であることを今後も大事にしていきます

*選木や伐木の方法(方向)の意見出しが重要(意思統一、納得)

*本日の内容は非常に具体的で良かったです。 段々森林ボランティアというものが理解出来初めています。

*実際に木を切って見て、木を一本切るにも色々な準備や確認を行ってから切っていることを知ることが出来まし た。又、一人では切る事ができないので周りの人に協力して安全に注意しながら今後もやっていきたいと思いま した。

*森林ボランティアで一番活動的な日でした。実技も多くとても勉強になりました。それとともに人力にたよる部分も 多く林業の難しさを感じた回でした。次回もたのしみにしています。

*思ったより暑さに苦しまず一安心。ただ水は必須。いきなり除伐として木を倒すことにはおどろいた。 次回からは軽登山くつできます。 もやい結びはしっかり練習してきます。

*実際に除伐で木を切れたのが面白かった。 木の選定やたおし方をチームで意見だしあって考えれたのが興味深かった。 ロープの結び方は、役に立つ。


*直径15cmくらいの木でも倒すまでに確認する事項が多い上にのこぎりで切るという作業そのものも意外と時間
がかかることに驚いた。

*もやい結びを学び直せてよかった。 除伐は大変な作業だが面白かった。

*間伐、除伐、計画たてるときにも、一つ一つ検討する理由があり、大変勉強になりました。 実際になたで木に切りこみを入れたのは初体験として、感激でした。

*とても充実して勉強になりました。


以上



2024年8月19日月曜日

 


新規事業から

『森林環境教育指導者養成講座』


以下、講座担当者からのレポ-トです。

 

ある1日の始まりから

夏のある土曜日、風の子太陽の子広場駐車場に集合です。

一日の予定を確認したのち、受講者同士がお互いのニックネームで呼びあいながら、宿題となっていた「森林がわたしに与えている影響」をお話しするところから講座の1日が始まります。

恥ずかしさもあって始めは何となくモジモジしている皆さんも、全員のお話が終わる頃には和気あいあいの雰囲気に。アイスブレイクの真価を何気に体感です。

 

 そのあとは「木の気持ちになってみる」のお題が。隣の人と詰めて並び、交互にしゃがみ、頭の上に両手で△を作ります。
 この状態でしゃがんでいた人が立ち上がると、込み合った森と同じで、お互いの△()がぶつかり合い狭苦しさを感じます。
 恐らく森の木も同じ気持ちになるのでしょう。せっかく植えた木々ですが、木々の成長とともに、いつか狭苦しさを感じる時期が来る、その時どうすればよいのか問いかけるアクティビティです。

 

これは間伐の必要性を体感してもらうために用意されたアクティビティ。文書やお話では説明が難しいことを、体の感覚を利用して学び取ってもらう工夫の一つです。

私たち青梅りんけんが取り組む、小学生向け「森の体験学習」は、森のいろいろな働きについて、教えるのではなく、自身が感じたことを起点として、気づき学び取ってもらうことを念頭に置きつつカリキュラムを組み上げています。

  森林環境教育指導者養成講座は、「森の体験学習」に参加される児童の皆様に、いかに感じとってもらえるか、そのための気づきを創出するための取り組みや考え方を体得して頂くために用意した講座です。

  始めは少し違和感を感じることもあるかもしれませんが、「子供の気持ちになって」、「木の気持ちになって」を大切にして、共に進化していきたいですね。

未来を担う子供たちのために。

理事 林 敏幸(森守会会長)

 

 

 

当会の新規事業として始まったこの事業の生まれた背景は、身近な森を活用する会の令和2年度の報告書(2022.6.22投稿21頁)にもあるように事業化への必要性に迫られ、身近な森林を活用した指導者養成の取組です。

気候変動の悪化と共に森林への期待が年々高まっているにもか拘らず、放置林化や未植栽地の増大等裏腹な状況にあり、国民の期待に誰が答えるのか、希望の持てる森林行政が求められております。