2024年10月1日火曜日

新規事業だより   

 いま、森林環境教育への期待が高まっています!

 

森林環境教育来訪校(R6.9末現)


6/20 青梅市立第7小学校

6/28 青梅市立第1小学校

9/  5 青梅市立第5小学校

追伸:過去『身近な森を活用する会』での森林環境教育の事業報告は令和2年度活動報告書、「令和3年度活動報告書」 をご覧下さい。







解剖学者の養老孟司さんは、

2024.5.14読売新聞記事より

 

都市への人口集中が解消され、人々が地域ごとに食糧やエネルギ-を自給自足して暮らす。僕は、2050年の日本の望ましい姿をそんなふうに描いている。

多くの人間は今、都会に暮らしている。そこは、頭で考えた通りに物事を進めようとする「脳化社会」だ。

・・・(中略)・・・

僕は以前から、都会に住む人は地方にセカンドハウスを用意した方が良いと提案してきた。もともとは、都会でずっと過ごしていては体にも精神的にもよろしくないという理由だ。でも、今は、間違いなく、未来に生きていくための方法だと思っている。

合理性、経済性、生産性を追求してきた時代とは、全く逆の方向に進んでいくはずだ。一人一人が実感を持ち、暮らしを足下から積み上げていく。それぞれが自活し、居心地良い日常を送れるようになれば、未来は平和だといえる。   







                                            ・・・森林ボランティア育成講座・・・

 間伐準備作業

14-4『山割り』R6.9.14


 

山割りは林内作業に多くの作業員が一度に現場に入ると時に、作業場所を割振ることで、伐倒木や上下作業による事故防止の一環として行い、安全に作業が実施できるように現場を割振ります。

経済林として成り立っていた時代は、適正な伐採・搬出・再造林(植林・育林)によって森林循環が保たれ、公益的働きも担保されて来ました。

しかし、人工林の間伐作業の現状は、立木を無償でいただいても採算が合わない環境下となり、多くの間伐木が伐り捨てられ補助金頼りになっているのが現実で、本末転倒な状況にあります。

今回、はじめて受講生は現場に入り、山割り場所の確認、選木方法の確認、ロ-プを活用した間伐作業等、多くの作業を体験しました。 


以下、受講生の感想を掲載します。  


*ロープの使い方や山割り、除伐の実体験ができて、(一人で行うわけではなくグループ全員で一つの作業を行
う)楽しかった。一つ一つ今まで体験したことのない作業でしたが、具体的に学べて知識がついて良かったで す。何より自分の安全、人の安全が大事!

*山割の意味を初めて知った。山を保全していく上でとても大切だと思う。 除伐体験、大変興味深く貴重な体験ができた。 どの木を切るか、なぜ切るのか、倒す過程がよくわかりました。

*木が倒れた瞬間、とても感動しました。 間伐するとき、沢の要素を配慮しないといけないことをきづき、なおかつ大自然にそんけいします。 とても勉強しました。ありがとうございました。

*除伐では山に入って選別したり木を切ることができて楽しかったです。色々な木があることを改めて実感しまし た。

*ロープ上げが結構難しかった。 除伐に限らず選木は重要と学びました。 1本の木を安全に切るにはあるていどの人数が必要とわかった。

*除伐の初体験、大変に勉強になりました。 受講生同士での話し合いも必要だと思いますが、プロならこうするとの意見、考え方も聞けたらなお良かった。り んけんさんに感謝。

*のこでの伐倒も大変で思ったとおりにはいかない。

*山の中であつさが和らいだ中での作業は楽しかった。3班はすすんで知識のある方が作業ルートに導いて下さったので、それぞれ自分の役目を見つけやすかったように思う。思ったより斜面はすべりやすかったが、それも 又楽しかった。自然の力をコントロールすることはできないが、人間が共に暮らすための環境づくりについて学 んだ。

*暑かったが無事に終ってよかった。 除伐も1本できてよかった。 のこやなたの使い方、扱い方を午前中にやってほしかった。 地面に放置する場面にヒヤリとした。

*暑さが心配だったが程良い作業で気持良かった。 「カタナボーイ」を知りよかった。

*もやいむすびの学習は大変有意義でした。 ・伐木をグループ討議して作業したことは有効でした。 リスク管理を再重要に考えて常に安全第一の作業であることを今後も大事にしていきます

*選木や伐木の方法(方向)の意見出しが重要(意思統一、納得)

*本日の内容は非常に具体的で良かったです。 段々森林ボランティアというものが理解出来初めています。

*実際に木を切って見て、木を一本切るにも色々な準備や確認を行ってから切っていることを知ることが出来まし た。又、一人では切る事ができないので周りの人に協力して安全に注意しながら今後もやっていきたいと思いま した。

*森林ボランティアで一番活動的な日でした。実技も多くとても勉強になりました。それとともに人力にたよる部分も 多く林業の難しさを感じた回でした。次回もたのしみにしています。

*思ったより暑さに苦しまず一安心。ただ水は必須。いきなり除伐として木を倒すことにはおどろいた。 次回からは軽登山くつできます。 もやい結びはしっかり練習してきます。

*実際に除伐で木を切れたのが面白かった。 木の選定やたおし方をチームで意見だしあって考えれたのが興味深かった。 ロープの結び方は、役に立つ。


*直径15cmくらいの木でも倒すまでに確認する事項が多い上にのこぎりで切るという作業そのものも意外と時間
がかかることに驚いた。

*もやい結びを学び直せてよかった。 除伐は大変な作業だが面白かった。

*間伐、除伐、計画たてるときにも、一つ一つ検討する理由があり、大変勉強になりました。 実際になたで木に切りこみを入れたのは初体験として、感激でした。

*とても充実して勉強になりました。


以上



2024年8月19日月曜日

 


新規事業から

『森林環境教育指導者養成講座』


以下、講座担当者からのレポ-トです。

 

ある1日の始まりから

夏のある土曜日、風の子太陽の子広場駐車場に集合です。

一日の予定を確認したのち、受講者同士がお互いのニックネームで呼びあいながら、宿題となっていた「森林がわたしに与えている影響」をお話しするところから講座の1日が始まります。

恥ずかしさもあって始めは何となくモジモジしている皆さんも、全員のお話が終わる頃には和気あいあいの雰囲気に。アイスブレイクの真価を何気に体感です。

 

 そのあとは「木の気持ちになってみる」のお題が。隣の人と詰めて並び、交互にしゃがみ、頭の上に両手で△を作ります。
 この状態でしゃがんでいた人が立ち上がると、込み合った森と同じで、お互いの△()がぶつかり合い狭苦しさを感じます。
 恐らく森の木も同じ気持ちになるのでしょう。せっかく植えた木々ですが、木々の成長とともに、いつか狭苦しさを感じる時期が来る、その時どうすればよいのか問いかけるアクティビティです。

 

これは間伐の必要性を体感してもらうために用意されたアクティビティ。文書やお話では説明が難しいことを、体の感覚を利用して学び取ってもらう工夫の一つです。

私たち青梅りんけんが取り組む、小学生向け「森の体験学習」は、森のいろいろな働きについて、教えるのではなく、自身が感じたことを起点として、気づき学び取ってもらうことを念頭に置きつつカリキュラムを組み上げています。

  森林環境教育指導者養成講座は、「森の体験学習」に参加される児童の皆様に、いかに感じとってもらえるか、そのための気づきを創出するための取り組みや考え方を体得して頂くために用意した講座です。

  始めは少し違和感を感じることもあるかもしれませんが、「子供の気持ちになって」、「木の気持ちになって」を大切にして、共に進化していきたいですね。

未来を担う子供たちのために。

理事 林 敏幸(森守会会長)

 

 

 

当会の新規事業として始まったこの事業の生まれた背景は、身近な森を活用する会の令和2年度の報告書(2022.6.22投稿21頁)にもあるように事業化への必要性に迫られ、身近な森林を活用した指導者養成の取組です。

気候変動の悪化と共に森林への期待が年々高まっているにもか拘らず、放置林化や未植栽地の増大等裏腹な状況にあり、国民の期待に誰が答えるのか、希望の持てる森林行政が求められております。



2024年8月6日火曜日

 第2弾 突撃体験レポ-トR6.7.30


杉並区小学生

親子林業体験教室


投稿:地元受講生 前田

  こんにちは〜!今回は7杉並区小学生親子林業体験の活動レポートをお送りします。

平日に有給を取り、ヘルプ参戦したこちらの活動。最近の小学生は学校行かないで山に行っちゃうんだな、親御さんもそれ許してるんだから最高にロックだぜ!とかなんとか思っていたら皆さん夏休みでした。いや~、社会人も大学時代のように2ヶ月くらい夏休み必要だと思うんですよね、健康的で文化的な生命のために。

 


間伐エリアまで移動


さてさて、本日のお目当てヒノキ間伐エリアまで、かるーくみんなで山登りです。日が差し込む明るい山の中。木々はもちろん、竹の香りがいい感じです。

途中の休憩地点では、他の森林ボランティアが作ったという木組みの机とベンチがありました。ネジ等は一切使用せず組み立てられているところに小学生たちも興味深々です。

もう少し先の地点に行くと、東京と埼玉の境界目印の石がありました。線じゃないんですね。これが境界ってんだから世界で国の境界揉めまくっているのも無理ありません。散歩中にずらすか埋めるかできそうです。




間伐する木を自分たちで決める

現場に到着後、決められたエリアの中で小学生たちが実際に伐採する木を1本選びます。

大きすぎて日当たりを阻害している木、弱くて細くて周りを邪魔している木、伐倒するためのスペースをきちんと確保できる木、など多様な視点から判断するのですが、小学生たちの意見はなぜか最初からいい線いっているんですよね。誰から教わったんや

候補の木は45本ありましたが、最終的に端っこにある木を伐倒することに。木の高さを加味しつつ、どの方角に倒すかを決めます。

 

いざ、ヒノキの伐倒!

ロープをくくりつけ、滑車を活用して、木から離れたところでロープを引っ張ります。倒れて来る木の近くにいると危ないので、遠くから作業ができるようにします。

のこぎり部隊の小学生&林業従事者が木の根元に切り込みを入れ、いい感じになったらみんなでロープを引っ張ります。ゆっくりロープを引くと、木がミシミシミシ……という音を立てて倒れました。自分たちの手で倒した木に小学生も親御さん達もおおお〜〜〜というリアクション。わかるわかる。

切った木はのちほどの木工作業に使うので、運び出さなければなりません。持ち運びやすいように林業従事者の方にチェンソーで丸太を切ってもらうものの、切ったばかりの木は水分を含んでいるのでけっこう重たいです。しかしながら小学生、われ先にとせっせとトラックに運びます。えらいよ〜。

昼、差し入れのブルーベリーがうまい

ひと足先に木工作業場へ向かうトラックを見送り、わたしたちもお昼へと戻ります。お昼ご飯は自前なのですが、近隣で採れたというブルーベリーをご馳走になりました。割と大量にあったのですが、青梅の採れたてブルーベリーがうますぎて私ともう1人の女の子が永遠に食べ続けるという事態に陥りました。これで私たちの来年の視力は2.0です。

 

切ったヒノキで丸太コースターを作る

丸太コースターを作ります。刀ボーイと呼ばれるイカした名前のどでかいのこぎりで丸太を薄い輪切りにし、輪切りにした丸太はもれなく皮剥きを施します。この作業が楽しいからか、場数を踏みまくった小学生たちは次第に職人のような手つき顔つきで皮を剥きまくります。

見てください、ついには丸太そのものの皮を剥ぐ始末です。




東京では珍しい川遊び

小学生たちが輪切り丸太を量産しまくり、親御さんがどうやって持って帰ろうかな〜家のどこに置こうかな〜と考え始めてしまった顔をしたところで、川遊びへと移行です。

みんな水着に着替え、ウォーターシューズなんかに履き替えます。いやはや、小学生なんて秒速で服や靴のサイズが変わるというのに、年に数回しか使わないであろうアイテムをきちんと揃えるあたり、本当に親御さんというのは愛に溢れています。

 

東京でこんな場所があるのかと思えるほどに、ほんっとうに綺麗な水場がありまして、そこで川遊びをします。生き物もちらほらいるらしく、カニをキャッチ&リリースする子やただひたすらに周囲に水をぶちまける子など様々な楽しみ方をしていました。途中からかなり強い雨に降られてしまったので、引き上げることとなりましたが、小学生も親御さんも満足な様子。






2024年7月31日水曜日

 突撃体験レポ-トR6.7.21

 

和光小学校世田谷区)

森林・間伐体験教室

受講生 前田

 


こんにちは~!

はじめて、林業体験教室(世田谷区和光小学校)の運営レポートをお送りします。

木の伐採なんてわたしは学校の行事で経験したことがなかったので、和光小学校の児童たちがとてもうらやましかったです。

ではどうぞ!

 



集合場所の沢井市民センター駐車場へ

いっちょ前の社会人になった私は日々の労働からくる重い体を引きずり起こし、ペーパードライバーであるがゆえに人様の車に乗り込んで集合場所の沢井市民センターへと向かいました。

見慣れた都会のビルビルビル、という街並みからは程遠い、のみ込まれそうなほどの深い森林たちが出迎えてくれます。だがしかし写真がない!すみません!

 

集合時間のだいぶ前にミーティングが始まったことだけは若干気になりましたが笑、各種確認を済ませ、現場へと出立です。

またもや、今度は人様の軽トラに乗り込み、風通しのよい爽快な乗り心地を堪能したのでした。軽トラっていいな~~!!何免許がいるんだ??(ペーパーの疑問)

 

和光小の児童を迎える準備

現場では、木が斜めになっていて危ないから倒しておこう、

草が伸びすぎているから刈っておこう、

レジャーシートは日陰のある森の中がいいのではないか、いやしかし蚊が多い、

伐採体験では限られた時間の中でどの木を伐採しようか、

など入念な準備と小学生への配慮がなされていました。

 

はたまた、おひとり和光小の先生が到着すると、どこからともなくのこぎりとヘルメットが80個くらい登場し、影でのものすごい連携プレーがあったと想像できました。

一足先に現地入りする先生っていたよな~。こんな感じだったんだ~。すごく大変だっただろうな~…。あのころの自分に代わって別の先生に今お礼を言う。お疲れ様です、ありがとうございます…。


 


和光小の児童到着!森へ入る準備

その他先生方と小学生たちが到着すると、森林の中で手伝いをしていた私もその声のにぎやかさに思わず振り返ってしまいました!

がやがやとはまさにこのこと。

児童たちがお昼を済ませたあとに今日の活動の説明を行い、のこぎりとヘルメットを11つずつ渡していきます。

のこぎりは腰にベルトやひもをつけてぶら下げる使用だったので、一人くらいは鬼殺隊の善一(『鬼滅の刃』)の真似でもしだすんじゃないかと勝手にどきどきハラハラしていましたが、誰もそんなことはしていませんでした。偉いよ小学生。

 

森に入る

実際に森に入るにあたり、木の根っこがあったり、ふかふかすぎて歩きにくかったり、心配なところがあったのですが、サクサク登っていくこどもたち。足腰つよい。クラス分の児童の水筒を持っている先生方、大丈夫でしょうか。

 

森に入って最初に行われた青梅りんけんの方の話では、おいしい水のためには森が大事であること、今いる森は木が多すぎて光が差し込んでいないこと、ひとつひとつの木が日光を浴びれるようにするにはどうすればいいのか等々お話がありました。

児童からは、元気がない木を伐採する、いや元気がある木を伐採する、太い木、細い木などいろんな意見が出ていました。全部当たってる!時と場合によって判断です。世の中正解は一つではない、という真理がしみじみと感じられる時間でした。

 

木を伐倒する

実際に青梅りんけんの方が、のこぎりで切り込みを入れていた際にはおお~~というような声が上がっていました。いや感動するよね、わかるわかる。

 

ツルと呼ばれる部分を残し、木に括り付けていたロープをみんなで引っ張り、ゆっくり木を倒していきます。

狙い通りの場所ながらも上の枝たちは他の枝にぶつかりながら倒れていきます。ばきばきばきばき、、、という少し衝撃的な聞きなれない音を立て、どすん、と地面に倒れます。

倒れたときも、おお~~という声が。わかるわかる。

 

 

丸太コースターを作る

伐倒した木の枝葉を取り除き、丸太を薄く切ってみんなで丸太コースターを作ります。

枝葉の除去や丸太の薄切りをする際に、のこぎりを使ってもらったのですが、皆のこぎりの使い方がうまい!林業従事者みな感動。

のこぎり全体の刃を使い、引くときに力を込めるのだ、という和光小学校の先生の教えが行き届いているようでした。

のこぎりがうますぎて、あんなに押していた時間があっという間に回収され、みんなコースターを2~3枚作っていました。嬉しそうな顔が可愛い。


 

コースターづくりのワンステップ先の作業として、皮むきと言われる木の皮をむく作業をしたのですが、見かけによらずのこぎりで切るより普通にむずい!と言っていました。

何でも皮をむき始める小学生

 

 

林業の未来を憂える小学生

そんななか、1人の子が私にがんがん質問をしてくるのでした。

#林業やってるの?#今人足りないんでしょ?#何人いるの?ってか#若い人全然いないんでしょ?#林業やばくない?#林業従事者になって!がんばれ!#これ樹齢何年?#杉?檜?#木売れないの?#海外に売ればいいんじゃない?#木で家作りなよ!

めっちゃアイディアくれるやん笑。

その子は一貫してずっと、林業やばくない?と言っていました。

 

ね、そう思うよね。小学生の時、一次産業の衰退や、環境破壊の危機的状況に焦りを感じていたのを思い出しました。自分が大人になるころ世界はどうなってしまうのだろうかと。

 

矢継ぎ早に質問をくれたその子を含めた今回の和光小の児童たちがどんな形であれいつか林業の道に足を踏み入れ、日本の山林をより美しく一層魅力的なものにしたくなるようできるだけ多くの準備をしておきたいなと思いました。

 

というわけで、まずは自分にできることから始めねばなりません。行動範囲を広げないといけないので、とりあえずペーパードライバー講習に行ってきますか。