2025年6月9日月曜日

大きな節目を迎えて

特集 新たな挑戦 !

-総合的な学習の時間への挑戦-

身近な森を活用する会

幹事(事務局)谷村春樹

 

身近な森を活用する会の活動は5年目を終了しました。 令和6年度から、正式に青梅りんけんの一事業として始動しました。従って、昨年度までは、 青梅りんけんと身近な森を活用する会を併記した報告書でしたが、今年度から青梅りんけんの身近な森を活用する会事業として報告書を作成します。

 身近な森を活用する会事業がりんけん本体に組み込まれたことにより、令和7年度から身近な森を活用する会の活動についても青梅りんけんの年度末総会資料に組み込まれることになりました。

今まで、私の勝手なやり方で報告書を作成していましたが、これからはりんけん理事の皆様、どうぞよろしくお願い致します。 役割の締めくくりということもあり、今回の報告書は例年に増してページ数が 多くなってしまったことをお詫びします。ご興味のある方はお読みください。

平成10年に旧NPO環境学習研究会を立ち上げて以来、報告書は常に書くべき物として存在していました。相手先が行政であっても企業であっても、作成と提出が義務付けられていたためです。

 長い間試行錯誤して作ってきましたが、報告書はどうあるべきかいつも考えていました。単なる活動記録ではなく、十分ではなくても可能な限り参加者の思い、スタッフの思いを記録しておくことが未来へつなぐことになるのではないかというのが結論です。

どうしても長くなってしまって申し訳ない部分はありますが ご容赦いただければと思います。 どうもありがとうございました。 

<会発足の背景>

-人と森林(もり)の歩み

森林の整備と活用については、長い間山村に暮らす人々の手に委ねられ、適正な森林との関わり方を育んできました。

そして元気な森林からの贈り物として、

“降った雨を貯めこみ、地下水や川となって下流域へ水を供給する”
“二酸化炭素を吸収して温暖化防止に寄与する”
“酸素を供給して生き物の生存を助ける”
“農作物や海の生き物の栄養分となり人間や他の生き物の生息を助ける”
“土砂崩れを防ぎ、大雨や台風の被害を最小限に抑える”
“植物が発する様々な成分が人間の心身に良い影響を与える”
“山菜やキノコ、木ろう、ウルシ等の特用林産物を産出”
“木材は、唯一の循環型資源として私たちの暮らしに役立つ”等です。

 以上のように生態系の豊かな森林から、私たちは生きるために欠くことができない多くの恵みを享受してきました。


 -人と森林との歪み-

戦後の復興は、壊滅的な状況にありましたが、米国からの援助と日本政府の効率的な経済政策に加え、培われた文化、教育、勤勉、技術、そして“もう一度立ち上がろう”という国民の意志によって成し遂げられたものでした。

しかし、豊かさの限界を超えたライフスタイルはとどまることを知らず、森林の再生可能なエネルギ-から離れ、便利な化石エネルギ-に依存した生活に浸り、“ゆでガエル” 状況にあります。

これは、暗い病んだ森林の増加へと繋がり森林の荒廃を引き起こしており、林業従事者の減少、水害や土砂崩れ等の災害の頻発という事実を見ても明らかです。

こうした現状に対し、国や各地域の行政が主導する森林ボランティアの育成や森林整備のための助成金等の施策が行われ、何とか森林の荒廃を食い止めようとしていますが、十分な効果を発揮しているとは言えません。

この大きな要因は、森林保全を長い間山村に暮らす人々に委ねてきたことの裏返しでもあります。ライフスタイルの変化は、都市住民が人口の9割り近くを占めるようになり、森林との接点があった社会の仕組みを分断し、森林の健康状態すら伝わらない足下の見えない危険な社会に置かれています。

そうした歪みを、少しでも正すために導入されたのが今日の*森林環境税でもあり、期待したいところですが残念なことに環境税の9割りを預かる市町村が使途について悩んでいるように見えます。危険回避の行動に何を躊躇しているのでしょうか。

ましてや暗い森林や藤の花が拡大している情況を、土砂崩れ発生の注意信号だと行政担当者は認識し都市住民に伝える責任があります。森林からの注意信号をしっかり受け止め、手遅れにならないうちに早急に行動を起こしていただきたい。

*1991年当時より和歌山県旧本宮町中山喜弘町長を筆頭に森林交付税創設に向け全国運動を展開



-人と森林の新たな文化-

青梅りんけんは発足以来、山側から都市住民に森林体験を通じ一世代に及ぶ時間をかけ人と森のあり方を発信し続けてきました。

社会生活では気候変動による影響が身近となり、森林への期待は益々高まっております。しかし森林行政は、全国人工林の皆伐面積の3割しか再造林出来ない結果をもたらしており、責任ある対応が見えません。

課題を先送りし、一貫性のない迷走する森林行政に何故なってしまったのでしょうか。担い手育成どころか希望も持てない情況では、次元を超えた運動を模索せざるを得ません。


-森林づくりは人づくり-

夢と希望のある事業への挑戦

身近な森林を活用した森林体験学習を通じ、森林の大切さを体感、体験しながら学び(人づくり)、避けて通れない気候変動や災害への対策に興味を持ち明日を担う人材の育成や、人と森林の歪みの解消に繋げることを掲げ勉強会が始まりました。  

2019. 9.13  身近な森林を活用する会 準備会👆

2019.11.22 会の発足と勉強会(市内の森林を活用し活動している15グル-プ約40名)

2020.8.21  

 NPO法人環境学習研究会が東京都環境局と協働して小学校の教員向け研修会を行っている事業が、今年はコロナ対策で実施が困難な為に、「森林の活用を考える会」が青梅市立成木小学校並びに「あまがさすの森」のご協力をもとに実施したコロナ対策版です。

 小学校教員向け環境教育https://www.youtube.com/watch?v=uJFi-XHSOw0👆

2021.3  『令和2年度活動報告書』

2022.4  『令和3年度活動報告書』

2023.4  『令和4年度活動報告書

2024.6  『令和年度活動報告書』

2025.6  令和6年度活動報告👆










2025年3月20日木曜日

 

・・・森林ボランティア育成講座・・・

14-10『閉校式』R7.3.8

     


 当講座は、平成14年に1期生を迎え当初は1期2年間の計画で始まりました。
令和2年には、受講生の要望で1期1年間10回講座となり10期生を迎え、今回で
14期の受講生を送り出すことができました。

 森林の現状、山林作業の基本を学んでいただき 「りんけん」はもとより「身近な森を活用する会」、「森守会」、「上成木ふれあいの森」等のグル-プで活躍されてる方もおります。

 しかし、社会の流れは木材生産一辺倒で画一された森林政策では経済性の破綻と共に元気な森林の持続性は維持できない現実に直面しております。

 一方、森林環境税の導入がなされたにも拘わらず、森林保全の担い手の育成に結びついていないのが現状で森林救命医はどこに行ってしまったのでしょうか。



以下、受講生の1年間振替っての感想を掲載します。

道を直したりするのは楽しかったです。達成感あります。

*森林のボランティア活動を通して、日本との方々の勤勉さと協力的な姿勢が印象的だった。これからもこの経験から異文化交流の大切さと柔軟な対応の重要性を学んだ。これからも森林活動をして、自分の力を発揮して いきたいと思ってます。本当にたのしかったです。感謝を持って自然と森林に恩返しお返ししたいです。

*道なおしをさせていただきました。かけやが無くどうなるかと思いましたが、切株などを使い、くいを打ちこむなど 協力して作業に向かえたと思います。ありがとうございました。

*道づくりの作業、チームでまとまってできた。一年を通じてケガもなく楽めて良かった。

*林道作り 前回休んで2か月振りの作業だったので余計腕や腰にきています。でも新たな道が自分たちで歩きやすい ものになり、充実感がありました。

1人で作業をしないことが重要 ・重い材を2人以上で運ぶ場合、想定外の動きをして足をつぶすなど災害要因となる 以上、不安全要因として気付いたことです。

*1年を通して一番多い作業が道づくりだった気がします。 枝打ちはほとんど枝はらい 間ばつもチェンソーたよりだったような作業をもっとやりたかったです

*林内整備もチームでだいぶスムーズにできた印象。 作る時に道の整備イメージが早めに共有できるともっとスムーズに整備ができると感じた。

*森林整備を経験させてもらい楽しい一年間でした。 今後も森に対してなにかできたらと思います。 一年間ありがとうございました。

*今までの経験をふまえて午前の活動をみんなでよく動けたと感じた。 植樹した木を後々見ることが出来る機会があればうれしい。

*一年間ありがとうございました。 天候では寒い日ではありましたが、重い木を運んだり道整備で土を移動したりしていたところ、体もホカホカしな がら作業してました。今回でこの講座が終わるのは誠に残念ですが、何かつながるものに出会えればと思って おります。

12月~本日午前中のプログラムに出席できませんでした。りんけんの皆様ありがとうございました。ボランティア 育成講座の運営大変だったと思います。今後ともがんばってください。

*道作りは各自の思いがあってよく議論して進めました。それが楽しくでき上がりはすばらしいものになったと思い ます。そう快な気持ちでした。 ・森業の将来を考えるとなかなか厳しいのかと思いますが、そのことを話し合う、問題を共有することが第一歩だ と思いました。この講座は今後も続けてください。

*一年参加させてもらって気づいたことは森の中に入ると整備されたところや全く手の入っていないところ、ちょっと あるところなどいろいろな表情があることを知れてとてもおもしろかったです。

*最後に道づくりができて良かった。半日でしたが想像以上に広範囲ができ、対応力が上がっていると感じまし た。1年間ありがとうございました。楽しく経験できました。

*最後の道作り楽しかったです。お昼は移動先で良かったです。(雪が降り始めたので。)

*道直しを行い、手をくわえていけばどんどん道が良くなり、歩きやすくなっていき、楽しさを感じました。 一年間林業について勉強でき非常によかったと思います。

*一年を通しての振り返り。 今後につながるような活動の場がどこにあるか。 他にも色んな森を見てみたくなりました。

 

 

以上



 

2025年2月19日水曜日

 

・・・森林ボランティア育成講座・・・

14-9『地拵え・植林』R7.2.14

  我が国の森林は国土の約7割を占め、その内4割が人工林です。先進国の森林率ではフィンランドに続き2番目の森林大国であり、森林の働きは年70兆円の評価額(代替法)とも言われておりました。

しかし、人工林の現状は再造林率が3割になってしまい、7割は伐りっぱなし状況にあり、加えて獣害等で放置林や放棄林が増加傾向にあります。

言い換えれば、次世代に病んだ森林を承継してしまう情況にあります。受講生の皆さんには、このような環境のもとで植栽から木材利用の一連の循環の流れを学んでいただきました。この現状と貴重な体験を、広く多くの仲間に周知していただきながら共に考え行動して行きましょう。 

 以下、受講生の感想を掲載します。 

*道路作りが総合演習的で面白かった。 グループでディスカッションしながら決めていくところが良かった。

 *事故がなくて良かったです。 ようやく作業になれ、チームワークもできてきたように思います。

 *今まで伐採した木の場所を整備して道を作り、 木を植えた作業も含め春からの一連の作業を学ぶ事が出来、とても勉強になりました。

*ナエをうえるのは意外にすんなり出来ましたが、林業全体の経験が出来て楽しかったです。 100年後は植えた木は見る事が出来なくて残念ですが、機会があれば見に来たいと思います。

*植林について、苗のことから防獣ネットの意味、コストなどを教えて頂き勉強になりました。自分で苗を植えることの充実感を学びました。道直しは材木の有効活用、道を作る面白さが味わえてよい機会でした。ありがとうございました。

 *植林は1本です。午後は道直し

 *ヒノキの苗を植えさせて頂きありがとうございます。50年後が楽しみです。(自分はいないけど)笑 道づくりなどいい一日でした。本日もありがとうございました。

 *林業は息の長い仕事。今日植えたヒノキが成木する頃自分はもうこの世にいないと思う。 うけついでいくことの大切さを思った。

 *ヒノキ苗にウラオモテがあるのが驚きでした! 元気に育つといいなぁ~! 道造り楽しい!

*植樹したひのき、来年が楽しみ。 強い風で立ち枯れの枝が危ない実感。

*植林作業の地道さ、大変さを再認識。1haという単位で植林するための労力が想像つきません。

 *本日は植林と道直しを行い、植林はなかなか体験できる物ではないのでいい経験をすることができました。 木を植えるにも土の中にゴミが入らないようにだったり、葉の表を日が当たる向きにしないといけなかったりと、あることが知れました。道直しも自分で山の中にかいだんを作る経験ができひじょうによかったと思います。

 *木が大きくなる早さを1号地、2号地を行き来して時間がかかることを再認識した。また、植林、木が自然に大きくなることはむずかしいことも再認識した。    

 *なえを植えられたことに喜びを感じました。以前できなかったことが少しずつ(作業について)できていくことで少 しずつ自信もついてきてやる気も満ちてきます。天気で良かったです。体力、技術etc・・・大事ですね。

 *午前中は苗を植えて、未来に向けて大きく育ってくれたらいいなと思います。 午後は道なおしをやり、初めて階段もつくりキレイにできて歩きやすくなりよかったです。

以上



2025年1月27日月曜日

 

・・・森林ボランティア育成講座・・・

14-8『間伐・道直し』R7.1.11

 


間伐も回を重ね3回目となり、受講生の感想からも伐倒方法をしっかり体験しいることが覗えます。

対象木は、昭和30年代に将来に夢を馳せ、植林され厳しい寒暖の気候や風雨に耐えてきた立木達です。伐倒された木から何とか社会の役に立ちたいと悲痛な声が聞こえて来ます。後を任された木々達は治山治水の大切な働きを託され、整然と並び人間社会を見守っています。

 以下、受講生の感想を掲載します。

 

*かかり木になった時の対処が学べました。

*間伐に終始しました。枝ぶりまで気が回らず、倒しきれなかったり、木を切るのも奥が深いと思いました。

*間伐5本、かかり木もあり、きれいに倒れたものもあり、楽しかった。

力を使うことが多く、体のためになった。

*次の植樹の為、木を計画的に間伐する作業は大変だったが達成感もありました。

日々この作業をされている林業の方のご苦労がしのばれます。

*今回は間伐をメインに行い5本程切りましたが、木が太い物は手で切るのはかなりきついと思いました。又、倒す位置をきめて切っているがなかなか思うほうこうにいかずひっかかり苦労しました。あらためて木を倒すむずかしさを感じました。

*本日は2班にわりふられました。「木を5本切る」ノルマもありながらスピーディに先生方のご指導も良いことで、又、皆さんのがんばりとチームワークの良さetcで無事終えることができてわくわく出来楽しかったです。

*本日も楽しくて5本の木を切りました。

あと一回だけに卒業になること寂しくて、まだまだこれから森のため、木のために活動をして行きたいと思ってます。

*今日は作業ができたので楽しかったです。りんけんの皆様からもほどよくアドバイスを頂き、助かりました。

*しばらくぶりで木を切ったので、忘れている事が多く1つ1つ確認して作業を行った。もやい結び、受け口、追い口の切り方、線のかき方など確認できてよかったです。自分たちで切った木で、道を整備するのが楽しみです。

*山の気温は予想がつきませんでしたが、服は十分でした。今回は1回経験した内容でしたが、とても楽しかったです。

自重伐採は難しい。(面倒くさがらずロープけん引すること)

*木をたおす為のロープかけが難しい!結び方はばっちりなのに!!マスターできたらもっと楽しくなる気がしました。整備する前と後でわかりやすいくらい風景がわった。人が入る山の意味を引きつづき考えつづけたい。少しずつ作業に慣れるように。

 受け口、追い口、ロープ、伐倒方向決めなど全てを体験することができまし!    


おさらいできてとても良かったです!腕が筋肉痛になりそうです。

*今まで勉強したことをフルにつかった気がして楽しかった。安全に作業する大切さを再確認しました。

*アドバイスをもらいながらも、ほとんど自分たちの判断で木を決め、間伐できました。以前よりも数段もてきぱきみんなが動けてよかったです。

*間伐5本、数をこなすことでいろんなパターンを経験できた。大分ひろうがたまりました。

以上