2014年10月15日水曜日

第3回森林ボランティア育成講座(H26.10.11)
 『原木市場・製材工場・木造建築物の視察報告』
 
管理人
 
今期7期生より新企画の講座を加えた。その背景には、過去の講座で体験してきた森林保全活動中心の視点に、森林の多面的な働きの根幹を支え、共生してきた木材生産の意義、そして消費までの流通を学び、大所高所からの視点を加えることにより、森林のあり方、特に自然素材である木材を生活に生かすことがいかに大切なことか、改めて浮き彫りにする試みでもある。また業界との連携の可能性の模索でもある。

以下、視察先の様子をご報告します。

日程の関係で、最初に公共施設である日出町公民館を視察した。この事業は、公共建築物等における木材利用の促進に関する法律に基づき、積極的に多摩産材利用を促進するための取り組みである。現場は既に、本体工事がほぼ完成状態を視察させていただいた。
 建築基準法のしばりが、自然素材である木材の特性を生かしきれないジレンマを設計に感じた。しかし、大きな一歩踏み出していただいたことには間違いない。ご説明いただいた町の担当者の皆さんに木材利用に取り組んだ日の出町のご英断に敬意と感謝を申し上げ新公民館を後にした。


 次に、念願の多摩木材センタ-の原木市場を視察した。理事長が同会員でもあるため、市日の翌日というご多忙な日にもかかわらず競のベテランの方を案内に配置していただいた。お話の中で、はい積みしてある7割が花粉対策事業(主伐)からの出材で占めているとのこと。また日頃、体験している間伐材の単価までわかりやすく説明いただいた。特に、市場価格から逆算すると育林費用どころか伐採搬出費も厳しい現実を伺った。(受講生改めて溜息)従来の経済行為からの出材は少なく、民需の木材取引の復活を願わざるを得ない。

 続いて、浜中材木店の製材工場の視察である。当社の土場の広さも広大であるにも関わらず、多摩木材センタ-を貯木場に使える好立地条件にあり、多摩地域の中でも屈指の経営者でもある。さらには、モデルハウスまで手がけられ、在来工法の若手職人の育成にも取り組まれている。製材はおろか6次産業化に向けた取り組みに感心した。
 







全体を通じ、自然素材である木材を工業製品化し利用する流れと、自然素材を在来工法で生かして利用する流れを感じた講座であった。今後、地球温暖化問題の中でどちらがどのように進化していくのか大変興味深い時代を迎えている。

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